というわけで、Twitterで考えてたハイファンタジーの一部がまた浮かびだしたので適当に書き出し(どうせすぐ飽きる)
世界設定は絶対貧乳宣言と一緒なので割愛して。
適当にショートショートで。
「お嬢ちゃん、俺が盗賊だったら今頃身ぐるみ剥がされて慰みものもいいところだったろ、少しは自重したらどうだ。」
大柄、筋肉質、説教を受けている少女から見れば「巨人」に例えられそうな男は出会ってから1時間、少女に説教を続けていた。
「むう、だってお婆ちゃんが『この魔法は大丈夫さ、なんせ私の十八番だからね』って・・・。」
小柄、全身に豪華なエングレーブを施したいかにも高級な全身鎧、身の丈に合わない長物の斧槍を持った少女も動けないまま反論する。
「だがな、元に近くの村まで普通に歩いてまだ暫くかかるこんな所で魔法が切れて動けなくなって襲われかけて居るって現実はどう受け止めるお嬢ちゃん。」
「ぐぬぬぬぬ・・・お婆ちゃんがそう言ってたもん・・・。」
「全く、その婆ちゃんってのも適当だな。こんな年端も行かない子供をお供も付けずにお使いなんて危ないだろ。」
至極まっとうな「巨人」の意見である、盗賊・山賊・追い剥ぎ等、この世界は少女にとっては危険なのは間違いはなかったのである。最も軽装でいかにも筋肉の塊の様な身体をしている「巨人」に取っても同じことは言えたのだが。しかし「少女」から帰って来た言葉は「巨人」を大いに驚・・・いや笑わせることとなる。
「大丈夫です!私お婆ちゃんに言われました!!『お前は勇者だ、山の向こうの魔物を倒す運命なんだ』って!だから私は勇者だから大丈夫なんです!」
「巨人」は驚きの前に小さく笑い、そして少しの呆れとともに「少女」に問いかける。
「その『勇者』ってのが何かは分からないが、『山の向こうの魔物』?あのクズ山に行くのかい?」
「巨人」は笑いを隠せずに震えながら話す、それだけ「少女」の言葉は夢物語も良いところだったのである。
その問に対して 「少女」は動けないが堂々と応える。
「その通りです!お婆ちゃんのいうことは間違ってませんから!」
「ああ・・・そいつは滑稽な話だな・・・。まあ、まずはお嬢ちゃんその鎧抜いだらどうだ?」
「嫌です!貴方が追い剥ぎじゃない証拠が無いです!!」
「俺が追い剥ぎならとっとと裸にひん剥いてその鎧を今頃売っている頃だな!!」
「むう、それでもです!私はこの鎧を脱ぎたくありませんし動けないので脱げません!」
「・・・全く、いいかお嬢ちゃん。追い剥ぎ扱いされたくないから言っておくぞ。これから俺がやることに文句を言ってもいいが拒否はしないでくれな。」
「やっぱり剥ぐんですか!!」
「違うと言っているだろう!集中も削がれるから少し黙っていてくれ、な。」
そう言うと「巨人」の掌から光が溢れだす。
「我が力、我が手の中に『写し込み、移せ』」
その手を「少女」の鎧に触れる、鎧は僅かに発光し数秒もしないうちに光が消える。
少女は驚きを隠せずに「わ・・・わぁ・・・」と感嘆の声を上げ、すっと立ち上がる。
「あ・・・軽い・・・じゃない・・・重さを感じない!!」
「ふぅ・・・これで少しは信じてもらえるか?」
「まだ信じませんけど!凄い!お婆ちゃんと同じ魔法だ!!」
そういいながら「少女」は斧槍をヒュンヒュンと振り回し感触を確認する。
「ほう、見事な動きだな。お嬢ちゃんとは思えない動きだな。・・・所で今お婆ちゃんと同じ魔法と言ったか?」
「はい!お婆ちゃんも同じように私の鎧を軽くしてくれたんです!!」
「・・・そうか、ちょっと俺はそのお婆ちゃんに用事が出来たな。お嬢ちゃん、一旦おじさんとお婆ちゃんの所に戻ってみないか、傍目から見ても今のお嬢ちゃんは準備が足りない。見たところ3日分の食料しか持っていないのに街に向かい山に向かう。『勇者』とやらが何かは分からないがオススメは出来ないな。」
「ダメです!私はこれでむか・・・」
ゴィィィィイイイン
鐘のなるような音と共に「巨人」の拳骨が「少女」の兜に当たる、わざと大きな音が出るように叩いたのである。
「あああああああああ耳があああああ耳がああああああ」
「全く、聞き分けの無い。お前のお婆ちゃんとやらの住んでいる町は多分こっちだな。」
「やめて!近寄らないで!!」
「はいはい、子供はおとなしく大人のいうことを聞いとくもんだ」
「近寄るなら・・・。」
「少女」は獲物の斧槍を「巨人」に向ける、いや既に跳びかかっていた。
「あー、悪いが・・・」
ズドォォォン
「巨人」が最初の一撃を避けた時 、「少女」は尻もちをついて動けなくなっていた。
「と、いうことでな。一応念の為に魔法の時間を短めにしておいた。」
「ギニニニニニニニニ・・・」
「さて、と。向こうでいいんだな。」
「少女」は観念したかのかあっさりと「この道をまっすぐ、半日もあれば着きます」と素直に答えた。
「よし、それじゃあちょっとお前のお婆ちゃんに会ってこようか!」
そう言って「巨人」は「少女」を担ぎ上げ肩にのせる。「少女」は大困惑である。
「何をして!?何をやってるんですか!私重いんですよ今!動けないんですよ!?」
「ハッハッハッハ、何のために俺に筋肉があると思っているのだね?」
「私に変なことをするため?」
ゴィィィィイイイン
「耳があああああああ耳がああああああ!!」
「さ、俺のトレーニングがてらだ。町まで付き合ってもらおうか。」
そう言って筋肉質の「巨人」はフルプレートの「少女」を担いで走り出したのである。
「きゃああああああああああきゃ・・・・ぎゃああああああああ!」
「ハッハッハ!お嬢ちゃん淑女になりたければはしたない悲鳴を上げるもんじゃあないぞぉ!」
「ぎゃあああああ!揺れ・・揺れ・・・速い!!ぎゃああああああああ!」
「ハッハッハ・・・・」
これは「巨人」と「小人の少女」の物語。
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